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📘 カウンセリング理論・心理学

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カウンセリング理論・心理学 ★★★
アレン・E・アイビィ|マイクロカウンセリング
面接技法を階層表に整理し、かかわり行動と基本的傾聴技法を土台に、段階的に習得させるアイビィの訓練体系。
アイビィは、多様なカウンセリング理論に共通する面接技法を抽出し、マイクロ技法の階層表として整理した。土台にかかわり行動(視線・姿勢・声・言語追跡)を置き、その上に開かれた質問・閉ざされた質問・はげまし・言い換え・要約・感情の反映などの基本的傾聴の連鎖を積み上げる。技法を一つずつ段階的に習得できるため、カウンセラー教育や訓練の標準的な方法として広く用いられている。
カウンセリング理論・心理学 ★★★
アレン・E・アイビィ|閉ざされた質問
「はい・いいえ」や短い言葉で答えられ、事実確認や話の焦点化に向く一方、多用すると尋問的になりやすい質問。
閉ざされた質問(クローズドクエスチョン)は、はい・いいえや年齢・日付などの短い答えで応じられる形式の質問である。事実や情報を的確に確認したいとき、話の焦点を絞りたいとき、緊張が高く自由に話しにくい来談者に答えやすさを提供したいときに有効である。ただし多用すると尋問のような雰囲気になり、来談者の自由な語りを妨げるおそれがある。開かれた質問と適切に使い分けることが重要である。
カウンセリング理論・心理学 ★★★
アレン・E・アイビィ|開かれた質問
「どのように」「何を」などで始まり、来談者が自分の言葉で自由に語り、考えや感情を深めるのを促す質問。
開かれた質問(オープンクエスチョン)は、「どのように」「何を」などで始まり、来談者が自分の言葉で自由に答えられるよう促す質問である。話題を広げ、考えや感情を深く語ってもらうのに適し、来談者の主体的な語りと自己探索を引き出す。多くの情報や気づきが得られる一方、答えに負担を感じる場合もある。閉ざされた質問と組み合わせ、面接の流れに応じて柔軟に用いることが効果的である。
カウンセリング理論・心理学 ★★★
カール・ロジャーズ|受容・共感・自己一致
来談者中心療法でカウンセラーに求められる、無条件の肯定的関心・共感的理解・自己一致という3つの中核条件。
ロジャーズは、来談者の建設的な人格変化を促すためにカウンセラーが備えるべき態度として3条件を挙げた。相手をありのまま尊重する無条件の肯定的関心(受容)、相手の内的世界をあたかも自分のことのように感じ取る共感的理解、そして自らの感情に嘘のない自己一致(純粋性)である。これらが伝わり来談者が受け取ることで、人が本来もつ成長への力が発揮されると考えた。
カウンセリング理論・心理学 ★★★
カール・ロジャーズ|来談者中心療法
人がもつ自己成長力を信頼し、指示を避け受容・共感・自己一致の態度で自己実現を支える、ロジャーズの療法。
ロジャーズが創始した来談者中心療法は、人は誰もが自らを成長させる実現傾向をもつという人間観に立つ。カウンセラーは助言や指示を控え、無条件の肯定的関心・共感的理解・自己一致という態度で関わる。安全で受容的な関係の中で、来談者は理想と現実の自己のずれ(自己不一致)を減らし、本来の自分を取り戻していく。非指示的療法として始まり、パーソンセンタード・アプローチへと発展した。
カウンセリング理論・心理学 ★★★
カール・ロジャーズ|積極的傾聴
相手の言葉の内容と背後の感情の両方に注意を集中し、共感的に理解しながら能動的に聴く、ロジャーズが重んじた態度。
積極的傾聴(アクティブリスニング)は、単に話を聞き流すのではなく、相手の言葉の内容とその背後にある感情の両方に注意を向けて能動的に聴く態度である。受容・共感・自己一致を基盤とし、うなずき・相づち・視線などの非言語的応答、言い換えや感情の反映を通じて、理解していることを相手に伝え返す。話し手は安心して自己を表現でき、自分の考えや気持ちを整理しやすくなる。
カウンセリング理論・心理学 ★★★
アーロン・ベック|認知行動療法
認知と行動の両面に働きかけ、悪循環を生む思考の癖と行動の変容を図る、実証的で構造化された心理療法。
認知行動療法(CBT)は、認知療法と行動療法を統合した実証的な心理療法である。人の反応を状況・認知・感情・身体・行動の相互作用として捉え、悪循環を生む思考の癖と行動の両面に働きかける。認知の歪みを修正する認知的技法と、行動活性化や曝露などの行動的技法を組み合わせる。構造化され目標志向で、宿題(ホームワーク)を活用する。うつ・不安症など幅広い問題に適用され効果が確認されている。
カウンセリング理論・心理学 ★★☆
家族療法
問題を個人でなく家族という相互作用のシステムの産物ととらえ、関係性への働きかけで変化を促す療法。
家族療法は、症状や問題を個人の内面だけに帰さず、家族というまとまり(システム)内の相互作用やコミュニケーションのパターンから生じるととらえる。特定の成員を「問題の人」とみなさず、悪循環となっている関係の型に働きかけて全体の変化を促す。円環的因果や境界、リフレーミングなどの概念を用いる。個人を取り巻く関係性を視野に入れる視点として、システムズ・アプローチと関連して問われる。
カウンセリング理論・心理学 ★★☆
マインドフルネス
今この瞬間の体験を評価せずに気づき受け入れる心の状態・技法で、ストレス低減や再発予防に用いられる。
マインドフルネスは、過去や未来にとらわれず、今この瞬間に生じている感覚・思考・感情に、評価や判断を加えずに気づき、あるがままに受け止める心のあり方を指す。瞑想や呼吸への注意などの実践を通じて養われ、ストレス低減やうつの再発予防、集中力の向上に効果があるとされる。認知行動療法の第三世代の技法として発展し、職場のメンタルヘルスやセルフケアの手法としても注目される。
カウンセリング理論・心理学 ★★☆
B・F・スキナー|オペラント条件づけ
行動の後に続く強化や罰によって、その行動が起こる頻度が変化するという、スキナーが示した学習の原理。
スキナーは、自発的な行動(オペラント行動)がその結果によって増減する仕組みをオペラント条件づけと呼んだ。望ましい結果(強化子)が伴えば行動は増え、不快な結果(罰)が伴えば減る。強化には報酬を与える正の強化と不快を取り除く負の強化がある。行動療法やトークンエコノミー、行動形成(シェイピング)の基礎理論であり、学習を刺激と反応の随伴関係で説明する。
カウンセリング理論・心理学 ★★☆
アーロン・T・ベック|認知療法
出来事の受け取り方である認知の歪みや否定的な自動思考に働きかけ、感情や行動の改善を図る、ベックの療法。
ベックが提唱した認知療法は、気分や行動が出来事そのものでなく、その受け取り方(認知)によって左右されると考える。抑うつなどでは、瞬間的に浮かぶ否定的な自動思考や、全か無か思考・過度の一般化などの認知の歪みが働いている。これらを本人が特定・検証し、より現実的でバランスのとれた考え方へ修正することで感情や行動の改善を図る。うつ病治療で高い効果が実証されている。
カウンセリング理論・心理学 ★★☆
アルバート・エリス|論理療法(REBT)・ABC理論
悩みは出来事でなく非合理な信念が生むとし、その信念に反論して現実的な考え方へ修正する、エリスの療法。
エリスが創始した論理療法(REBT)は、感情や行動の結果(C)を生むのは出来事(A)そのものでなく、それに対する信念(B)であるとするABC理論に立つ。「〜すべきだ」といった非合理な信念(イラショナル・ビリーフ)が過度の悩みを生むと考える。この信念に反論(D)して現実的な考え方へ修正することで、より適切な感情・効果(E)が得られる。認知的アプローチの先駆けとされる。
カウンセリング理論・心理学 ★★☆
アルフレッド・アドラー|個人心理学
人を分割できない全体と捉え、目的論・劣等感の補償・共同体感覚・勇気づけを重視する、アドラーの心理学。
アドラーが創始した個人心理学(アドラー心理学)は、人を要素に分けられない統一体と捉え、行動を過去の原因でなく目的から理解する目的論に立つ。人は誰もが劣等感を抱き、それを補償しようと優越を目指す中で独自のライフスタイルを形成すると考える。他者への貢献や所属を通じて得られる共同体感覚を精神的健康の指標とし、勇気づけを重視する。教育やカウンセリングに広く影響を与えた。
カウンセリング理論・心理学 ★★☆
アレン・E・アイビィ|要約技法
複数のやりとりの要点や感情を整理して伝え返し、理解の共有と話の焦点化・転換を図る、基本的な傾聴技法。
要約は、それまでの複数の発言の内容や感情の要点をまとめ、来談者に伝え返す面接技法である。言い換えが直前の一言を対象とするのに対し、要約は面接のある区切りやセッション全体を扱う点が異なる。話の整理と焦点づけに役立ち、来談者は自分の語りを客観的に振り返れる。理解が正しいかを確認し、話題の転換や次の段階への橋渡しにも用いられる基本的傾聴技法の一つである。
カウンセリング理論・心理学 ★★☆
ヴィクトール・E・フランクル|ロゴセラピー
人生の意味への意志を重視し、避けられない苦悩の中にも見いだせる意味を支えとする、フランクルの実存的療法。
強制収容所体験を持つフランクルが創始したロゴセラピーは、人間を意味を求める存在と捉え、意味への意志を動機の中心に置く。意味が見いだせず生じる空虚感を実存的空虚と呼び、これが神経症の一因になるとした。人生から問われている意味に応答する態度を重視し、避けられない苦悩にも意味を見いだしうると説く。逆説志向や反省除去などの技法を用い、実存分析とも呼ばれる。
カウンセリング理論・心理学 ★★☆
ウィリアム・R・ミラー/スティーブン・ロルニック|動機づけ面接
変わりたい気持ちと変わりたくない気持ちの両価性に着目し、本人自身の変化を望む発言を引き出す協働的な面接法。
動機づけ面接は、行動を変えたい気持ちと変えたくない気持ちの間で揺れる両価性(アンビバレンス)に着目した面接法である。指示や説得でなく、共感・受容を土台に、本人自身の変化を望む発言(チェンジトーク)を引き出し強化する。協働・受容・喚起・自律尊重の精神を基本とし、開かれた質問・是認・聞き返し・要約の技法を用いる。依存症支援などで有効性が実証されている。
カウンセリング理論・心理学 ★★☆
エリック・バーン|交流分析
自我状態を親・成人・子どもで捉え、人と人のやりとりや人生脚本を分析して対人関係の改善を図る、バーンの理論。
バーンが創始した交流分析(TA)は、人の心を親(P)・成人(A)・子ども(C)の3つの自我状態で捉える。この状態間のやりとり(交流)を分析することで対人関係のパターンを理解する。構造分析・やりとり分析・ゲーム分析・脚本分析の4領域があり、幼少期に形成される人生脚本や、承認欲求を満たすストローク概念も重視する。わかりやすい枠組みで自己理解と関係改善を促す。
カウンセリング理論・心理学 ★★☆
カール・ロジャーズ|沈黙の活用
来談者の沈黙を気まずいものと捉えず、内省や感情の整理が進む大切な時間として尊重し受けとめる、傾聴の態度。
来談者中心療法では、面接中の沈黙を気まずいものとして急いで埋めるべきものとは考えない。沈黙は、来談者が自分の内面を見つめ、感情を整理し、言葉を探している大切な時間であることが多い。カウンセラーは焦って質問や助言を挟まず、受容的な態度で沈黙に寄り添い、来談者のペースを尊重する。ただし拒否や混乱による沈黙もあり、その意味を見極めて対応することが求められる。
カウンセリング理論・心理学 ★★☆
グラッサー|現実療法・選択理論
行動は自らの選択であるととらえ、過去や他者でなく現在の欲求充足に向けた責任ある選択を支援する療法。
グラッサーが提唱した理論で、人の行動は環境に強いられるのではなく、基本的欲求(生存・愛と所属・力・自由・楽しみ)を満たそうとする本人の選択であるととらえる。過去や他者を責めるのではなく、今ここで自分がより良い選択をすることに焦点を当て、望む状態と現実の行動のギャップを本人が評価し、責任ある計画を立てるよう支援する。主体性と自己決定を重んじる支援として出題される。
カウンセリング理論・心理学 ★★☆
ジークムント・フロイト|精神分析
無意識と幼児期の体験を重視し、自由連想や夢分析、転移の解釈を通じて抑圧された内容の意識化を図る、フロイトの療法。
フロイトが創始した精神分析は、人の心が意識・前意識・無意識から成り、行動の多くが無意識に規定されると考える。心をエス(イド)・自我・超自我の三層で捉え、幼児期の性的発達や葛藤が人格形成に影響するとした。不安から自我を守る防衛機制や、自由連想・夢分析・転移の解釈を通じて抑圧された内容を意識化し、洞察を得ることを目指す。後の多くの心理療法の源流となった。
カウンセリング理論・心理学 ★★☆
ジェラード・イーガン|ヘルピングモデル
現状の明確化・目標設定・行動化の3段階で、クライエントが自ら行動を起こすよう支える、イーガンの体系的な援助モデル。
イーガンは、援助を体系的な問題解決の過程と捉え、3段階のヘルピングモデルを示した。第1段階で現在の問題状況を明確にし、第2段階で望ましい結果や目標を描き、第3段階でそこへ至る行動を計画・実行する。各段階で傾聴や共感、焦点づけなどの技法を用い、クライエントが自ら行動を起こすことを目指す。目標志向で実践的な支援の枠組みとして広く応用されている。
カウンセリング理論・心理学 ★★☆
ジョセフ・ウォルピ|系統的脱感作法
不安の弱い場面から順に、リラックス状態と結びつけて恐怖反応を段階的に減らしていく、ウォルピの行動療法の技法。
ウォルピが開発した系統的脱感作法は、逆制止の原理に基づく行動療法の技法である。まず筋弛緩などのリラクセーションを習得し、不安を引き起こす場面を弱いものから強いものへ並べた不安階層表を作る。次に、リラックスした状態を保ちながら弱い場面から順にイメージし、不安と拮抗させることで恐怖反応を段階的に消していく。恐怖症や不安症の治療に用いられる代表的な方法である。
カウンセリング理論・心理学 ★★☆
スティーブ・ドゥ・シェイザー|解決志向アプローチ
問題の原因追及より、望ましい解決像と例外・本人の資源に注目して変化を築く、ドゥ・シェイザーらの短期療法。
ドゥ・シェイザーやインスー・キム・バーグが体系化した解決志向アプローチ(SFA)は、問題の原因分析より望ましい解決像の構築に焦点を当てる短期療法である。問題が起きていない例外や、本人がすでにもつ強み・資源を重視する。もし問題が解決したらという未来を尋ねるミラクル・クエスチョンや、現状を数値化するスケーリング・クエスチョンなどの質問技法を用い、小さな変化を積み重ねていく。
カウンセリング理論・心理学 ★★☆
パブロフ|古典的条件づけ
中性刺激と無条件刺激を繰り返し対にして示すことで、中性刺激だけで反応が引き起こされるようになる学習過程。
古典的条件づけは、パブロフの犬の実験で知られる学習の仕組みである。本来は反応を起こさない中性的な刺激(ベルの音)を、自然に反応を引き起こす無条件刺激(餌)と繰り返し対にして示すと、やがて中性刺激だけで反応(唾液分泌)が生じるようになる。情動反応や不安の形成を説明し、系統的脱感作や暴露療法など行動療法の理論的基礎として、オペラント条件づけと対比して問われる。
カウンセリング理論・心理学 ★★☆
バンデューラ|モデリング
自ら体験しなくても、他者の行動やその結果を観察するだけで新しい行動が習得されるとする、観察学習の仕組み。
モデリング(観察学習)は、自分が直接体験しなくても、他者(モデル)の行動やその結果を観察することで新しい行動を学習できるとする考え方である。バンデューラの社会的学習理論の中核で、注意・保持・運動再生・動機づけの過程を経て成立する。手本の提示による技能習得や、成功例の観察による自己効力感の向上に活用され、SST(社会生活技能訓練)や研修の基盤として出題される。
カウンセリング理論・心理学 ★★☆
ビネー/ウェクスラー|知能検査
記憶・推理・言語などの知的機能を数量的に測る検査で、ビネー式のIQやウェクスラー式の群指数などが代表的である。
知能検査は、記憶・推理・言語・作業などの知的機能を客観的に測定する心理検査である。ビネーが始めた検査は精神年齢の考え方から知能指数(IQ)を算出する系譜をなし、ウェクスラー式(WAIS・WISC)は言語理解や知覚推理などの群指数と全検査IQを示し、能力の偏りも把握できる。個人の特性理解や支援計画の参考に用いられ、検査の目的と限界とあわせて出題される。
カウンセリング理論・心理学 ★★☆
フレデリック・パールズ|ゲシュタルト療法
今ここでの気づきを重視し、未完了の体験を今の場面で再体験・統合して全体性の回復を図る、パールズの体験的療法。
パールズが創始したゲシュタルト療法は、過去や分析より「今、ここ」での感情や身体感覚への気づき(アウェアネス)を重視する。未完了の体験(未完のゲシュタルト)が心の停滞を生むと考え、それを今の場面で再体験し統合することを目指す。空いた椅子に相手を想定して対話するエンプティチェアなどの技法を用い、分断された自己を全体として回復させる体験的なアプローチである。
カウンセリング理論・心理学 ★★☆
フロイト|防衛機制
受け入れがたい不安や葛藤から自我を守るために、抑圧・投影・合理化・昇華など無意識に働く心理的メカニズムの総称。
防衛機制は、精神分析で示された概念で、受け入れがたい欲求・不安・葛藤から自我を守るために無意識のうちに働く心の仕組みを指す。抑圧・投影・合理化・反動形成・昇華・退行・逃避などさまざまな型があり、昇華のように適応的なものもあれば、過度になると不適応を招くものもある。人の反応の背後にある心理を理解する枠組みとして、精神分析やパーソナリティ理解とあわせて出題される。
カウンセリング理論・心理学 ★★☆
ヘイズら|ACT
思考や感情との闘いをやめて受け入れ、価値に沿った行動に踏み出すことを重視する第三世代の認知行動療法。
ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)は、つらい思考や感情を無理に消そうとせず、あるがままに受け入れつつ、それらに振り回されない距離の取り方を身につける療法である。同時に、自分が本当に大切にしたい価値を明確にし、それに沿った行動を選んで積み重ねることを重視する。心理的柔軟性を高めることを目標とし、マインドフルネスの要素を取り入れた新しい認知行動療法として出題される。
カウンセリング理論・心理学 ★★☆
ポール・ワツラウィック|リフレーミング
出来事に与えている枠組みを意図的に変え、同じ事実に別の肯定的な意味づけを促して見方を転換させる技法。
リフレーミングは、ある事柄を捉えている枠組み(フレーム)を意図的に変え、同じ事実に別の肯定的な意味を与える技法である。家族療法やコミュニケーション論の文脈でワツラウィックらが体系化した。たとえば「頑固」を「意志が強い」と捉え直すように、短所を長所として見立てる。事実そのものは変えずに解釈を変えることで、行き詰まりを打開し、新たな対処の可能性を広げる働きをもつ。
カウンセリング理論・心理学 ★★☆
ホランド理論|VPI職業興味検査
ホランドの六類型に基づき、多数の職業名に対する興味の回答から、興味領域とその傾向を把握する職業興味検査。
VPI職業興味検査は、ホランドの理論に基づき、多数の具体的な職業名に対する興味・関心を回答させ、現実的・研究的・芸術的・社会的・企業的・慣習的の六つの興味領域(RIASEC)と、いくつかの傾向尺度から個人のプロフィールを示す検査である。自己理解を深め、興味に合った職業分野を探索する手がかりとなる。RIASEC理論と関連づけて自己理解支援の道具として問われる。
カウンセリング理論・心理学 ★★☆
マイケル・ホワイト/デイヴィッド・エプストン|ナラティヴ・アプローチ
問題を人から切り離す外在化を用い、語り直しによって本人が望む新たな自己物語を共に築く、社会構成主義的な療法。
社会構成主義を背景とするナラティヴ・アプローチは、人は自らの人生を物語(ナラティヴ)として意味づけていると考える。問題に染み込んだドミナントストーリーを問い直し、問題を人自身から切り離す外在化の技法を用いる。例外的な出来事に光を当てて再構成することで、本人が望むオルタナティブストーリーを共に紡ぐ。専門家が答えを与えるのでなく、対等な協働を重視する点に特徴がある。
カウンセリング理論・心理学 ★★☆
マスラークら|バーンアウト
意欲的に働いていた人が慢性的ストレスで心身を消耗し、意欲や関心を失う燃え尽き状態で、情緒的消耗感などを特徴とする。
バーンアウト(燃え尽き症候群)は、それまで熱心に仕事へ打ち込んでいた人が、慢性的なストレスの蓄積により心身のエネルギーを使い果たし、意欲や関心を失ってしまう状態を指す。情緒的消耗感、相手を人として扱えなくなる脱人格化、達成感の低下を主な特徴とする。対人援助職などで生じやすい。ワーク・エンゲージメントの対極として、職場のメンタルヘルスや予防の観点から出題される。
カウンセリング理論・心理学 ★★☆
ユージン・T・ジェンドリン|フォーカシング
言葉にならない身体の漠然とした感覚フェルトセンスに注意を向け、ぴったりの言葉を探って意味を明確にする、ジェンドリンの技法。
ジェンドリンは、まだ言葉にならない身体の漠然とした感覚をフェルトセンスと名づけ、それに注意を向ける過程をフォーカシングと呼んだ。この感覚にそっと触れ、ぴったりの言葉やイメージを探ると、意味が明確になり心身の変化(フェルトシフト)が起こる。来談者中心療法の実証研究から生まれ、体験過程を重視する。自分の内面と対話し、問題の本質に気づくための手がかりを与える技法である。
カウンセリング理論・心理学 ★★☆
ユング|分析心理学
無意識を個人的無意識と、人類に共通する集合的無意識に分け、元型や個性化の過程を重視したユングの深層心理学。
ユングが創始した分析心理学は、無意識を個人の経験に由来する個人的無意識と、人類に共通する集合的無意識に分けた。集合的無意識にはグレートマザーや影などの元型があるとし、意識と無意識を統合して本来の自己を実現していく過程を個性化と呼んだ。内向・外向の類型論も提唱した。精神分析から発展した深層心理学として、パーソナリティ理解や中年期発達とあわせて出題される。
カウンセリング理論・心理学 ★★☆
ラザルス/セリエ|ストレス理論
セリエの汎適応症候群と、ラザルスの認知的評価・対処に着目した理論からストレス反応を説明する枠組み。
ストレス理論では、セリエが有害刺激(ストレッサー)に対する身体の一般的反応を警告・抵抗・疲憊の三期からなる汎適応症候群として示した。ラザルスは、同じ出来事でもそれをどう受け止めるか(認知的評価)と、どう対処するか(コーピング)によってストレス反応が変わると論じた。個人差や対処可能性を重視する視点は、メンタルヘルス支援やストレスチェック制度の背景として出題される。
カウンセリング理論・心理学 ★★☆
交流分析|エゴグラム
交流分析の自我状態(CP・NP・A・FC・AC)の強さをグラフ化し、性格傾向や対人パターンを把握する検査。
エゴグラムは、交流分析の理論に基づき、五つの自我状態(批判的な親CP・養育的な親NP・大人A・自由な子どもFC・順応した子どもAC)に注がれる心的エネルギーの配分を質問紙で測り、棒グラフで表す性格検査である。自分の対人関係や行動の傾向を視覚的に理解でき、どの自我状態を意識的に高めるかを考える手がかりになる。自己理解支援の道具として交流分析とあわせて問われる。
カウンセリング理論・心理学 ★★☆
厚生労働省|一般職業適性検査(GATB)
知的・言語・数理・空間・運動共応など九つの適性能を紙筆・器具検査で測り、多様な職業への適性を把握する適性検査。
GATB(General Aptitude Test Battery)は、知的能力・言語能力・数理能力・書記的知覚・空間判断力・形態知覚・運動共応・指先の器用さ・手腕の器用さという九つの適性能を、紙筆検査と器具検査で測定する。結果を多数の職業群に必要とされる適性と照合し、職業選択や職業指導の参考にする。ハローワークや学校で広く用いられ、代表的な職業適性検査として出題される。
カウンセリング理論・心理学 ★★☆
行動療法|トークン・エコノミー
望ましい行動に代用貨幣(トークン)を与え、後で報酬と交換できるようにすることで目標行動を強化する行動療法の技法。
トークン・エコノミーは、オペラント条件づけの原理を応用した行動変容技法である。望ましい行動が現れたときにトークン(シールや点数などの代用貨幣)を与え、それを一定数ためると好きな品物や活動と交換できる仕組みをつくることで、目標行動を強化する。教育や療育、リハビリテーションの場面で用いられる。強化の原理を具体化した方法として、行動療法の技法群とあわせて問われる。
カウンセリング理論・心理学 ★★☆
行動療法|暴露療法
不安や恐怖を引き起こす対象にあえて段階的に直面し続けることで、不安反応の消去(馴化)を図る行動療法の技法。
暴露療法(エクスポージャー)は、不安や恐怖の対象・状況を回避せず、あえて直面し続けることで、次第に不安が下がっていく(馴化・消去)ことを利用する技法である。段階的に取り組む方法や、強い刺激に一気に向き合う方法などがある。恐怖症やパニック、強迫症などに用いられ、系統的脱感作とともに古典的条件づけの原理に基づく代表的な行動療法として出題される。
カウンセリング理論・心理学 ★★☆
質問紙法|質問紙法性格検査
多数の質問項目への回答からパーソナリティを把握する検査で、YG性格検査やMMPIが代表的である。
質問紙法性格検査は、あらかじめ用意された多数の質問に本人が回答し、その結果を尺度化してパーソナリティの傾向をとらえる方法である。実施や採点が容易で客観的だが、意図的な回答の歪みが生じうる。情緒安定性や社会的外向性などを測るYG性格検査、臨床尺度と妥当性尺度を持つMMPIなどが知られる。自己理解支援やアセスメントの手法として、投影法との違いとあわせて出題される。
カウンセリング理論・心理学 ★★☆
職業レディネス|VRT(職業レディネス・テスト)
職業への興味と、自分にはできるという自信の程度を測り、ホランド理論に基づいて職業志向を把握する若年者向けの検査。
VRT(職業レディネス・テスト)は、主に中学生・高校生など若年者を対象に、仕事に対する興味と、自分がそれをやれるという自信(自己効力)の程度を測る検査である。ホランドの六類型に沿って結果が示され、職業に関する興味の広がりや方向性を知り、進路を主体的に考えるきっかけを提供する。カード式のVRTカードもある。キャリア教育や職業探索の支援ツールとして出題される。
カウンセリング理論・心理学 ★★☆
精神分析|転移・逆転移
来談者が過去の重要人物への感情を援助者に向ける転移と、援助者が来談者に個人的感情を抱く逆転移を指す精神分析の概念。
転移は、来談者が過去に親など重要な他者に向けていた感情や期待を、無意識に援助者へ向ける現象を指す。逆転移は、逆に援助者が来談者に対して抱く個人的な感情反応をいう。精神分析では転移を治療の重要な手がかりとする一方、逆転移は自覚し適切に扱う必要がある。援助関係を客観的に見つめる視点を与え、スーパービジョンや自己理解の必要性を説明する概念として問われる。
カウンセリング理論・心理学 ★★☆
測定論|信頼性と妥当性
信頼性は測定の一貫性・安定性、妥当性は測りたいものを正しく測れているかを示す、検査の質を評価する基準。
信頼性と妥当性は、心理検査やアセスメントの質を判断する基本的な指標である。信頼性は、同じ対象を測ったときに結果が安定して一貫しているか(再検査や内的整合性など)を表す。妥当性は、その検査が本来測定しようとしている概念を正しくとらえているかを示す。信頼性が高くても妥当とは限らない。検査結果を適切に解釈・活用するために不可欠な観点として、アセスメント分野で出題される。
カウンセリング理論・心理学 ★★☆
投影法|投影法性格検査
曖昧な刺激への反応から無意識的なパーソナリティを読み取る検査で、ロールシャッハやTATが代表的である。
投影法は、インクの染みや曖昧な絵などのはっきりしない刺激を提示し、それにどう反応するかから、本人も意識していない深層のパーソナリティや欲求を読み取ろうとする方法である。ロールシャッハ・テストや、物語を作らせるTAT(主題統覚検査)が代表例。豊かな情報が得られる一方、実施と解釈に高度な専門性を要し客観性の確保が課題となる。質問紙法との対比で出題される。
カウンセリング理論・心理学 ★★☆
國分康孝|構成的グループエンカウンター
課題(エクササイズ)と振り返りを通じて本音の交流を促し、自他理解と人間関係づくりを深める、國分康孝の体験的手法。
國分康孝が普及させた構成的グループエンカウンターは、リーダーが用意した課題(エクササイズ)と振り返り(シェアリング)を通じて参加者の心のふれあいを促すグループアプローチである。時間や進め方に一定の枠を設ける点で、自由な非構成的エンカウンターと区別される。ふれあいと自他発見を目的とし、教育現場などで自己理解・他者理解・人間関係づくりの手法として広く活用されている。
カウンセリング理論・心理学 ★☆☆
ジェラルド・キャプラン|心理教育
予防の観点から、疾患や困難についての正しい知識と対処法を体系的に伝え、本人や家族の適応力を高める支援。
予防精神医学を提唱したキャプランの考え方を背景とする心理教育は、疾患や困難についての正しい知識、対処スキル、利用できる資源などを本人や家族に体系的に提供する支援である。問題が生じる前に備える一次予防、早期発見・早期対応の二次予防、再発防止や社会復帰の三次予防という枠組みに位置づく。理解と対処力を高め、当事者が主体的に問題へ向き合えるよう支える。
カウンセリング理論・心理学 ★☆☆
吉本伊信|内観療法
身近な人に「してもらったこと・して返したこと・迷惑をかけたこと」を想起して内省する、吉本伊信による日本発の療法。
吉本伊信が浄土真宗の修行を基に体系化した内観療法は、静かな環境で自己を集中的に振り返る日本独自の心理療法である。母親など身近な人に対して、「してもらったこと」「して返したこと」「迷惑をかけたこと」の3つのテーマを時期ごとに具体的に思い起こす。この作業を通じて自己中心的な見方が改まり、他者への感謝や自らの責任に気づく。集中内観と日常内観の形式がある。
カウンセリング理論・心理学 ★☆☆
作業検査法|内田クレペリン精神検査
一桁の連続加算作業の量とその時間的変化(作業曲線)から、処理能力や性格・行動の特徴をとらえる作業検査法の代表例。
内田クレペリン精神検査は、隣り合う一桁の数字を連続して加算する単純作業を一定時間続けさせ、一分ごとの作業量の推移(作業曲線)や誤りから、処理能力・持続性・気分の変動・性格や行動の特徴をとらえる作業検査法である。回答の意図的な操作がしにくい点が特徴で、採用選考や適性把握に用いられてきた。質問紙法・投影法と並ぶ検査法の一類型として出題される。
カウンセリング理論・心理学 ★☆☆
森田正馬|森田療法
不安や症状を無理に取り除こうとせず、あるがままに受け入れ、目的本位の行動を促す、森田正馬の神経症治療法。
森田正馬が創始した森田療法は、不安や症状を無理に取り除こうとせず、あるがままに受け入れることを説く日本独自の療法である。神経症を、あってはならないと症状にとらわれる精神交互作用によるものと捉える。生の欲望の裏返しとして不安を理解し、感情に振り回されず目的本位に行動することを重視する。入院療法では絶対臥褥期から作業期へと進み、症状を抱えたまま建設的に生きる態度を養う。